このページでは CPU ボードで使用している部品の説明と作成手順を説明します。
この組み立て手順では CPU のクロックを 16MHz, 動作電圧を 5V で使用する場合について説明しています。
8MHz – 3.3V で動作させる場合には実装する部品が一部異なりますので、その部分については、こちらの記事で紹介しています。CPU ボード全体の回路図も掲載していますのであわせてご覧ください。
以下が CPU ボードで使用する部品です。電源アダプタやCPU ソケットも必要に応じて使用してください。(個数を明記していない部品はそれぞれ1つ必要です)
上記の部品の一覧は以下になります。
TDCPZB CPUボード用プリント基板
CPU ATmega328P
IC1 5VレギュレータIC (LDO または DC-DC)
IC3 3.3V レギュレータIC(LDO)
C1 0.1μF
C2 33μF..100μF
C3 0.1μF
C4 33μF..100μF
C5 0.1μF
C6 22pF
C7 22pF
C8 0.1μF
R1 3.3KΩ
R2 5.6KΩ
R3 10KΩ
R4 1KΩ
R5 1KΩ
クリスタル 16MHz
タクトスイッチ 2個
DC ジャック
インサーキットシリアルプログラム用 2×3 ピンヘッダ
LED 赤
LED 緑
XBee 接続用 2mm ピッチソケット 2個
ATmega328P 用 28ピン狭幅ソケット
この他に、DC 7..28V出力の AC アダプタまたはバッテリ(12V)と XBee-ZB(ZigBee対応 Series2) デバイスが必要です。
最初に電源部分から作成します。DC ジャックを基板に取り付けます。このとき、DCジャックのピンと基板の間に隙間がありますので、マスキングテープなどで固定した状態で半田付けすると簡単です。
マスキングテープはプラモデル店などで販売されているタミヤ製のものをお勧めします。これは粘着材が部品に残ったりしないので都合がいいです。半田付けが終わった状態は以下のようになります。
5V レギュレータ IC1と平滑用の電解コンデンサC2(33μ ..100μ) を取り付けます。電解コンデンサには取り付け方向があります。基板上に小さくプラス(+)がシルク印刷されていますので、そちらが+極、反対側が-極になります。電解コンデンサのパッケージには通常- 極側に-マークの印刷があります。 IC1(レギュレータ) の取り付け方向にも注意してください。ここでは DC-DC タイプの部品を使用していますので、C1 (0.1μ) は使用しません。
次に、3.3V レギュレータ IC3 を取り付けます。この部品の取り付け方向にも注意してください。
発振防止と平滑用のコンデンサ C3(0.1μ), C4(33μ ..100μ)を取り付けます。C4 には取り付け方向がありますので気をつけます。
ここまでの作業で電源部分は完了です。ここで、一旦組み立て作業を止めて電源部分の動作確認をします。電圧を測定するためにデジタルテスタを用意してください。DC ジャックに AC アダプタから DC 7..28V 程度を入力します。
デジタルテスタを電圧測定モードにして、プリント基板の上記GND パッド部分に黒色のテスタ棒を当てて、赤色のテスタ棒を上記の合計4箇所のパッドに順番に当てて、電圧が5V と 3.3V になっているかを確かめてください。もし、上記の電圧がでていない場合には部品の半田付けを見直してください。ここで異常がある場合には、正常動作しないだけでなく XBee や CPU を壊してしまいますので必ず確認するようにしてください。
電圧に問題がなければ DC ジャックからACアダプタを抜いて部品の取り付けを続けます。
CPU と XBee のソケットを取り付けます。このときもマスキングテープなどを活用して、ソケットが基板に対して垂直になるように気をつけてください。
次にQ1(16MHz クリスタル)を取り付けます。向きはどちらでも構いません。
発振用のコンデンサ C6 (22pF), C7 (22pF)を取り付けます。
次に2つの LED を向きを確認して取り付けます。プリント基板上のイラストにある LED の切欠きを部品とあわせます。またLED のリード線の長さが違いますので写真の向きに合わせても大丈夫です。LED の色は好きな方を LED1, LED2 に取り付けてください。(青色LEDや白色LED は発光に必要な電圧が高くて使用できない場合があります)
LED 電流制限用抵抗 R4 (1K), R5(1K) を取り付けます。
AD変換 AREF 端子用のC5(0.1μ)と、Vcc 用のC8(0.1μ)もそれぞれ取り付けます。
リセットラインプルアップ用抵抗 R3(10K), CPUと XBee 間のシリアルデータのレベル変換用抵抗 R1(3.3K),R2(5.6K) を取り付けます。
CPU のファームウエア書き換え時に使用する 2×3 ピンヘッダを取り付けます。オールブルーシステムからファームウエア書き込み済みのATmega328P を購入される場合には必要ありませんが、ホームページからファームウエアをダウンロードしたものを自分で AVR プログラムライタで書き込む場合やファームウエアアップデートには必須です。
ハードウエアリセットボタン(SW1) とZigBee コミッションボタン用(SW2)のタクトスイッチを取り付けます。
ここで XBee-ZB のみを基板に接続して動作確認をします。ATmega328P はまだソケットにささないでください。CPU ボードのDC ジャックに AC アダプタを接続します。この時、XBee-ZB デバイスには下記の設定をしておきます。
(1) XBee-ZB ファームウエア “ZIGBEE ROUTER API” または “ZIGBEE END DEVICE API”に書き換え済みであること
(2) スリープモード(ZIGBEE END DEVICE APIの場合) 5 (Cyclic sleep with pin wake) に設定していること
(3) PAN_ID CPU ボードに取り付ける XBee-ZB とは別の、Coordinator として動作中のXBee-ZBデバイスで設定した PAN_ID 値と同じ値に設定されていること。
(4) NodeIdentifier 任意の文字列
まだ設定していない場合にはこちらのマニュアル中の8章を参考にして、XBee-ZB デバイス自身の設定を行ってからCPU ボードに接続します。
LED2 はアソシエーション状態を示しています。電源投入後にしばらくすると点滅(チカチカ)をはじめると思います。ZIGBEE END DEVICE の場合にはその後スリープに入って短い点滅(チッチッ)になるのを確認してください。点滅を始めない場合には コミッションボタン SW2 を押して ZigBee ネットワークに参加を試みてください。コミッションボタンの押し方でいくつかの ZigBee ネットワーク操作ができます。詳しくは Digi International 社の XBee-ZB マニュアルをご覧ください。
XBee-ZB の動作が確認できたら、一度 DC ジャックから電源を抜いて ATmega328P を基板に差込めば CPU ボードは完成です。
手前の 20 ピンにはピンソケットやピンヘッダ、丸ピンヘッダを必要に応じて取り付けます。ブレッドボードで実験する場合にはピンソケット(20) が便利です。
ファームウエアを自分で書き込む場合には、AVR ライタをCPU ボード上の 2×3 ピンヘッダに接続して書き込みます。ファームウエアファイルとファームウエア・ユーザーマニュアルはこちらからダウンロードできますのでご利用ください。
AVR ライタの書き込みケーブルは上記の写真を参考に取り付けてください。書き込むときのパラメータはファームウエア・ユーザーマニュアルに記載されています。